どんな種類のデータがあるの??
CADで扱うデータの種類一覧 概念図
2Dデータの種類
ラスター(画像)データ
jpegや.png、.psdなどの、ピクセル単位で色情報が集まってできている2Dデータのことを指します。曲線としては扱えないため、CADデータとしては向かないデータになります。CADデータとして使用するには、背景に引いて線でなぞったり、色情報の差からベクターデータの曲線として、パス化する必要があります。一般にPhotoshopに代表されるペイント系のソフトで扱われるデータ形式です。
ベクター(曲線)データ
aiや.svgなどの曲線で表される2Dデータのことを指します。ベクターによる画像データは、曲線の中を塗りつぶしたり、グラデーションで色を付けて表現します。一般にはIllustratorに代表されるドロー系のソフトで扱われるデータ形式です。
3Dデータの種類
NURBSカーブ(曲線)
NURBSカーブは、3DCADで一般に扱われる曲線となります。形状を決める制御点やなめらかさを決める次数、ノットなどによって曲線の形が決まります。Illustlatorなどの2Dソフトで扱うベクターデータとデータ上は親和性が高いものになります。
曲線と制御点、ノットなどの詳細は、下記リンクを参照ください。
点データ
点データは長さや面積、体積などを持たない空間上の一点を指定し、モデリングする際の基準や参照に用いられます。
X座標、Y座標、Z座標を指定したり、NURBS曲線の始点から終点を0から1の範囲として扱い、曲線上の点を取得するなどの作成方法などがあります。
点群データ
3Dスキャナなどから、実際に存在する形状を計測して点群データとして扱うことができます。一般的には、点群データはモデリングやシミュレーションをするのに用いられます。
また点群からNURBSサーフェスを作成するには、通常のモデリングとは異なるリバースエンジニアリング機能を持ったソフトを使うことになります。
点群データの形式としては.csvや.txt、.e57やそれぞれのソフトごとの専用形式があります。
また複数枚の写真などから、色情報を持った点群として扱う、Photogrammetry(フォトグラメトリィ)という考え方もあります。
関連ページ:点群やメッシュデータから3Dデータにしたい
NURBSサーフェス
一般にCADで扱われる、厚みがないデジタルの布のような3次元形状データのことを指します。アイソカーブと呼ばれる縦方向と横方向からなる内側の曲線を持っています。サーフェスデータの構造上、四辺を持つ布を変形させた形となるため、多角形を表す際はサーフェスの一部を切り取る[トリム]をすることで表現することになります。NURBS曲線と同様に、制御点や次数、ウェイトなどによって形が決まります。
また数式によって形状が定義されるため、曲面を表すのに優れています。
CG系では、後述のメッシュなどのポリゴンデータのことをサーフェスと呼ぶこともあるので注意が必要です。
ソリッドデータ
一般にCADで扱われる、中身が詰まっている3次元形状、もしくは隙間がない3次元形状のことを指します。CATIAやCreoなどに代表されるソリッド系と呼ばれるCADでは、ソリッドというデータの状態がありますが、Rhinoなどのサーフェス系と呼ばれるCADでは張り子のようにサーフェスが結合され、隙間がなくなったサーフェスのことをソリッドと呼びます。
体積を求めたり、物体同士の干渉を調べるには、ソリッドの状態で行う必要があります。
現実に物を作っていくには、体積を持った厚みがあるソリッドデータを作り、図面化したり、3Dプリンタや切削などの後工程で加工していくことになります。
メッシュデータ
ポリゴンとも呼ばれる多角形からなる3次元形状データのことを指します。メッシュでは、頂点同士を直線的に結んだ面が、複数集まり3次元形状を作成されます。
NURBSサーフェスとは異なり、形状が直線により作られるため、NCなどの切削機で精度が高い形状を作るのに向いていません。また多角形が集まった形状のため、曲面に近づけるにはメッシュの数を増やす必要があります。
基本的にメッシュもNURBSサーフェスと同様に、中身が詰まっているという認識がないため、メッシュ同士が隙間なく結合している状態のことを、便宜的にソリッドとして扱います。3Dプリンタなどで出力する際は、閉じた状態のメッシュを作成します。
3Dプリンタで出力する際は、.stlや.amfなどのメッシュデータに、CG系のソフトでレンダリングを行うときは、.objや.fbxなどのメッシュデータに変換してやりとりをします。
関連ページ:点群やメッシュデータから3Dデータにしたい
サブディビジョン(SubD)データ
メッシュを元にして、曲面を表す3次元形状のことを指します。有機的な形状を作成するのに向いており、主にCGでキャラクターなどのなめらかな曲面を作成するのに用いられてきました。近年、サブディビジョンデータをNURBSサーフェスに変換する技術が進んできており、CAD系での使用例も増えてきています。
ボクセルデータ
中身が詰まった小さい箱形状が集まってできている3D形状のことを指します。言葉の由来は[体積 (volume)]がある[ピクセル (pixel)]を合わせた言葉[Voxel]になります。中身が詰まった箱形状の集合なので、有機的な形状を表した際も隙間が空くことがないため、医療系や化学系などでも用いられています。その際は、CTやMRIなどの連続した断面画像から作成されます。
Freeform などの一部のCAD系ソフトで見られるデータ形式になります。